2022年06月03日
【プロが解説】こんなウインカーは車検NG! 車検に通らないケースを徹底解説
近年流れるウインカー(シーケンシャルウインカー)や、パッと点灯し、ぼんやり消えるウインカー(ディミングターンシグナル)など点灯パターンが増えてきました。
純正ならいいのですが車検の検査項目にウインカーがあるので社外品に交換や、後付け、DIYをした場合は車検に通るのか不安ですよね。
この記事では保安基準に照らし合わせながらプロが詳しく解説します。
車検NGになるのはこんなウインカー
実際に車検に通るウインカーと通らないウインカーは何が違うのでしょうか?
これは保安基準に適合しているかどうかです。
逆に言えば保安基準に適合さえしていれば車検には通るということになります。
車検NG(保安基準不適合)となる一部の例として
- 流れるウインカー(シーケンシャルウインカー)
- 点灯回数が早いor遅い
- 点灯しない
- ウインカーの位置が悪い
- ウインカーレンズのひび割れ
- ウインカーが明るすぎる
- ウインカーの色や面積が悪い
などが挙げられます。
流れるウインカー(シーケンシャルウインカー)
流れるウインカーは近年では純正で採用している車種もありますが、社外品を取り付けた場合車検に通らない場合があります。
保安基準を満たす条件として
- LEDの点灯は内側から外側に向かって点灯すること。(車体の内側から外側に向かって点灯)または、中心から放射状に広がって均一かつ連続的に点灯すること。
- LEDは点灯後、全てのLEDが点灯するまで点灯し続けること。(画像参照)
- 全てのLEDは同時に消灯すること。(画像参照)
- 点灯周期は毎分60回~120回以下の一定周期で点滅すること。
- LEDの流れ方は左右対象であること。
- 他のウインカーの点滅周期と同じであること。
が挙げられます。
またEマーク取得済みのものでなければ車検に通りません。 Eマークとは国連欧州経済委員会規制(ECE規則)通称、ヨーロッパ規格に適合した商品であることを表してるマークです。 このマークがついているパーツは日本の車検においても合法的に有効となります。
点滅回数が早いor遅い
ウインカーの点滅回数は毎分60回~120回までの範囲で点滅することが保安基準に記載されています。
ですのでこれ以上でも、以下でも車検には通りません。
点滅回数がこの基準より低い(遅い)時の主な原因はウインカーリレーの不具合、基準より高い(早い)時の主な原因は他のウインカーの球切れによるハイフラッシャー(異常に早いウインカーの点滅)やLEDウインカーの抵抗値不足などが考えられます。
点滅しない
当然ですが点滅しなければ車検には通りません。 ウインカーをポジションランプ化される場合、ウインカー作動時には点灯に切り替わる必要があります。
ウインカーの位置
ウインカーの位置にも規定があります。
ウインカーの上縁部が2.1メートル以下で、下縁部の高さが0.35メートル以上。前方や後方に対しての指示部の最縁内の間隔は600ミリ以上。
指示部の際外縁は自動車の最外側から400ミリ以内と規定されています。
基本的にウインカーを純正位置のままカスタムする場合は問題ないことが多いです。
ひび割れ
ウインカーレンズにひび割れがあった場合、車検に通らない可能性は高いです。
ひび割れの程度によりますが、レンズの一部に欠けがあれば車検に通りません。
ただし、どの程度のひび割れなら車検に通るかの明確な基準はなく、担当した検査員の判断となりますので、ひび割れがある場合は交換や修理するのが無難です。
明るすぎる
ウインカーの明るさは保安基準に明記してあり 「昼間に100m離れた位置からウインカーの点灯が確認できる明るさで、周りに迷惑とならないこと」となっています。 ぼんやりとした基準ですが、ワット数は乗用車の前後に取り付けられているウインカーの場合15W~60W、車のサイドに取り付けられたウインカーは10W~60W以下と決まっていますので、明るさが気になる場合はW数を参考にしましょう。
ウインカーの色や面積
- ウインカーの色は橙色(オレンジ色)であること。
- 面積は前後ウインカーとも20㎠以上あること。
が保安基準に明記されています。
純正の位置にオレンジ色の球を取り付けるのならば特別問題はないですね。
クリアレンズに関してもウインカーの色が橙色に見えれば問題ないです。
社外品のテールランプ取り付けのエピソード
ここまで保安基準に基づいて解説してきましたが、実際私の体験したエピソードから注意点をお伝えしようと思います。
お客様が純正のテールランプから、社外品のテールランプに交換された車両を車検整備のため預かり、整備しました
。この際にLEDの点灯は内から外で、全部のLEDが光ってから消えることを確認し、検査適合であると判断しました。
社外品のメーカーも有名どころであり、純正位置に取り付けられていたため安心もしていました。
しかし、いざ検査場に持ち込むと、指示部(ウインカーの点灯部)の最縁内の間隔が600ミリ以下であることが判明し、検査不適合となりました。
後から調べてみると、メーカーは有名でしたが、この製品に関しては車検適合品ではなく、純正のウインカーの位置で最縁内600ミリギリギリな為、流れるウインカーのようなテールランプの、端から端までが指示部になると間隔が足りなくなるようでした。
このように有名なメーカーであっても、しっかり車検適合品であることを確認して取り付けるか、業者に相談しましょう。
まとめ
車検に通らないウインカーがどんなものなのか解説しました。 購入時に車検適合品を純正の位置にとりつければ基本的に問題がないウインカーの交換は自分で作業するハードルかかなり低いので、ぜひこの記事の内容をしっかり理解して作業してみて下さい。
もし少しでも不安があれば整備工場やガソリンスタンドに気軽に相談しましょう。