【整備士が回答】車に長期間乗らない場合はバッテリーはあがる?

2021年12月14日

【整備士が回答】車に長期間乗らない場合はバッテリーはあがる?

いざ乗ろうと思った時にバッテリーが上がっていたらその後の予定が大きく崩れてしまいますし、余計な出費となってしまいます。 この記事では長期間車に乗らない場合の対策について解説します。

どれくらい放置するとバッテリーがあがる?

実際どの程度放置しているとバッテリーが上がってしまうのでしょうか?
バッテリーが新しいか、古いのか。 普段の使用距離が長いか短いか。 季節が夏か冬か。 など様々な要因が関係してきますので一概には言えませんが、経験上バッテリーが極端に劣化していない場合2週間~1ヶ月程度でバッテリーが上がってしまいます。
逆に言えば最近新しいバッテリーにしていても1ヶ月程度放置してしまえばバッテリーが上がってしまう可能性は高いです。

長期間乗らない場合の対策

長期間乗らない場合の対策はどのようなものがあるのでしょうか?
主な対策は以下の通りです。

  • 1週間に1回は運転、アイドリングをする(30分以上)
  • バッテリーのマイナス端子を外す
  • 車から出して保管する
  • プロに相談して対策を考える
  • ロードサービスに加入しておく です。 順番に解説します。

1週間に1度は運転(30分以上)

運転

もっともお手軽な方法は1週間に1度運転やアイドリング状態にしておくことです。
バッテリーは常に放電していますが、エンジンを始動することでオルタネーター(発電機)が駆動され、バッテリーに充電されます。
走行状態の方が充電量が増加するため、30分程度走行することが望ましいですが、走行することに不安がある場合や、免許がない場合はエンジンをかけたまま放置するアイドリング状態でも充電されます。 (アイドリングの場合は30分~1時間程度が望ましいです)

この方法であってもバッテリーが上がってしまう場合はバッテリーが劣化しているか、オルタネーターの弱りなどが考えられますのでガソリンスタンドや整備工場などのプロに相談しましょう。

バッテリーのマイナス端子を外す

前述の方法よりもバッテリー上がりを防ぐ方法として、バッテリーのマイナス端子を外しておく方法があります。

バッテリーが接続されている状態では自然放電の他に、車の常時電源(エンジンを切っている状態であっても常時ONになっている電源)で電力を消費されていきます。

車のホーンやハザード、ストップランプなどがこれにあたります。 この常時電源による放電を防ぐ方法にバッテリーのマイナス端子を外しておく方法があります。

この方法はバッテリーのマイナス側の端子を外しておくだけですので比較的簡単です。 この際にバッテリーのプラス端子と接触してしまうと感電の恐れがありますので慎重に作業しましょう。

車から取り出し保管する

バッテリーのマイナス端子を外す方法以上に効果的な方法は、バッテリーそのものを車から取り出し別の場所で保管する方法です。

これは車で保管するよりも室内で保管していた方が温度の変化が少なくなり、バッテリーの放電速度が遅くなるためです。
しかしこの方法を実践するためにはバッテリーを完全に取り外す必要があります。
バッテリーを取り外すにはバッテリーのプラス端子、マイナス端子、バッテリーステー(バッテリーを固定している金具)を取り外す必要があります。
取り外しの順番としてはバッテリーステーが干渉しない限りバッテリーのマイナス端子を取り外し、その後プラス端子を外してバッテリーステーを取り外すのがおすすめの方法です。
またマイナス端子を取り外す際には、プラス端子に工具を含め接触しないこと、プラス端子を取り外す際にはマイナス端子、車体の金属部に接触しないなどの注意が必要です。

プロに相談して対策を考える

一番無難な方法はプロに相談することです。
もちろん工賃などがかかってしまう場合もありますが、今のバッテリーの状態をしっかり確認してもらい、再度車を使用する際にバッテリーを新品にするのか、今のバッテリーを使用する場合はどのようにすればよいかを聞きましょう。

あなたの車のバッテリーの状態に最適な方法を導き出してくれるはずです。 中にはバッテリーを取り外し、再度使用するまで保管してくれ、再使用前に補充電をしてくれる整備工場もあるようですので、普段のメンテナンスをしてもらっているガソリンスタンドや整備工場に気軽に相談してみましょう。

ロードサービスに加入しておく

ロードサービス バッテリーが上がってしまった場合に備えて、ロードサービスに加入しておくのも一つの手です。

ロードサービスに加入しておけば、急に車が動かなくなってしまっても比較的安価でサービスを受けることができますので、いざというときの保険としても優秀です。
ただ長期に車を使用していなかった場合のバッテリー上がりがサービスに対応していない場合もありますので、ロードサービスと契約する際によく確認しておきましょう。

バッテリー以外でも気をつけておきたいポイント

バッテリー以外でも気をつけておきたいポイント

長期間保管するならバッテリー以外にも注意しなければならない箇所がいくつかあります。
1か月でも注意しなければならない箇所もあれば半年を目安にする箇所もありますので、各項目ごとに解説します。

タイヤ

タイヤは1ヶ月に1度の点検が望ましいので、1ヶ月程度保管する場合、再度使用する際には空気圧の補充と、亀裂がないか、目視で確認しましょう。 空気圧の補充はガソリンスタンドでも可能なので、燃料の補給と共に行えば一石二鳥です。

エンジンオイル

エンジンオイルは車を使用していなくても劣化します。 次回オイル交換まで距離はクリアしていても、前回交換から半年たっていれば交換しておいた方が無難です。 オイルエレメント(オイルフィルター)は距離が来ていなくても1年に1度は交換しましょう。

ガソリン

1ヶ月程度車を使用しないことが分かれば使用しなくなる前にガソリンを満タンにしておきましょう。 もちろんガソリンも劣化しますがまた燃料タンクが錆びてしまい、燃料フィルターが詰まってしまうことを防ぐためです。 再度使用する時にはできるだけガソリンを使い切った状態で給油すれば古いガソリンがタンク内に残り続けることを防ぐことができます。

サイドブレーキ

サイドブレーキは1か月以上使用しない場合は解除しておくのが無難です。 サイドワイヤーが固着しブレーキを引きずりながら走行することを防ぐためです。 この際、オートマ車であっても歯止め(前輪のタイヤの前後に硬くて滑りにくいもの)をしっかりかけておきましょう。

除湿しておく

1週間車を使用しないなら湿気対策をしておくことも重要です。 一番簡単な方法はタンスやクローゼット用の除湿剤を車内に置いておくことです。 一度カビが発生してしまうと後からの処理が大変なので、早めに対応しましょう。

車の長期間保管サービスの利用も検討

長期間の保管は様々なリスクがあるため安心して保管しておくのであれば専門業者の利用も検討してみてはいかがでしょうか? もちろん毎月の使用料金はかかりますが、専門スタッフよるサービスが受けられるので安心感はダントツです。 長期保管するけど頼れる人が近くにいない場合などでも、相手に負担をかけなくて済むので精神的にも楽です。

まとめ

自分だけで解決するのは知識と経験が必要です。

一番確実な方法としてはプロに相談するのが望ましく、そのような事態にならないように日頃からの対策が必要です。

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