車のタイヤの溝から使用限度や交換時期を見極めるコツをプロが解説!

2022年01月17日

車のタイヤの溝から使用限度や交換時期を見極めるコツをプロが解説!

車の整備や、ガソリン給油の際に「タイヤの溝が少なくなっているので交換した方がいいですよ」とアドバイスを受けたことはありませんか?
しかし、タイヤの交換となると高額になるため、そのまま鵜呑みにして交換しても良いのか迷いますよね。 この記事ではタイヤの溝から使用限度や交換時期を見極めるコツを解説します。

タイヤの溝って?

タイヤの溝とはタイヤが路面と接している部分の凹凸の凹んでいる部分のことを言います。 新品のタイヤでは各社差はありますが、8ミリ程度の溝があります。

タイヤの溝はどれくらいになったら交換すべき?

タイヤの残り溝が1.6ミリになるとタイヤを交換しなければいけません。
これは道路運送車両の保安基準で定められており、車検時には1.6ミリ以下のタイヤは車検に通りませんので、必ず交換する必要があります。
この1.6ミリですがあくまで法律で定められている最低限のラインです。 実際には3ミリ~2ミリ程度になったら交換した方が無難です。

溝が少ないタイヤで走行した時のリスク

そもそもタイヤの溝には

  • タイヤと路面の間から水を除去する
  • 車の操縦安定性、タイヤの放熱
  • 車の駆動力、制動力の確保

といった役割があります。

この溝が少なくなるにつれて上記の性能は徐々に低下していきます。
特に雨の日の高速走行時には排水性能が低下しているので、十分に排水できず、タイヤが路面を滑りブレーキやハンドルが効かなくなるハイドロプレーニング現象が発生しやすくなります。

この現象は、残り溝が4ミリになったくらいから起こりやすくなりますが、3ミリ~2ミリになると急激にこの現象が起こる可能性が高まります。 またタイヤの放熱性も低下していますので、タイヤの空気圧が低く、残り溝が少ないとバースト(タイヤの破裂)も起こりやすくなります。

溝の深さはどうやって確認するの?

スリップサインで確認

タイヤのスリップサイン

一番簡単な方法は「スリップサイン」で確認する方法です。
スリップサインとはタイヤ溝の中にある1.6ミリの凸のことでこのスリップサインで1箇所でも溝が途切れると残り溝が1.6ミリ以下であることを表しています。
このスリップサインはタイヤ側面の三角マークの延長線あります。 ハンドルをいっぱい切りタイヤの接地面がよく見えるようにすればより分かりやすいです。

道具を使って計測

上記の方法では最低限あるかどうかは分かりますが、実際の残り溝が何ミリなのかは分かりません。
そこで道具を使い計測する方法も紹介します。

デプスゲージやタイヤの残り溝を計測するための道具を使って計測します。
安い物であれば500円程度で購入可能です。
ハンドルをいっぱいにきってタイヤの接地面がよく見えるようにして、測定器具をタイヤの溝に軽くあて測定します。 この際に一箇所だけでなく、2~3箇所違う溝を測定し、最も溝が少ない場所で判断しましょう。

その他に、簡易的な方法ですが100円玉を使ってタイヤの溝を調べることも出来ます。

100円玉でタイヤの溝診断

数字の1の下側部分が5ミリなのでこの下側部分が溝に刺して見えるようになれば残り溝は5ミリ以下であることが分かります。

自分で確認することが不安な方はガソリンスタンドや整備工場で点検してもらいましょう。

溝以外で使用限度を判断するには?

タイヤの溝が3ミリ以上あっても交換すべきケースがあります。 ここからは、その判断方法について解説します。

製造年月日から判断

タイヤの主原料はゴムですので月日の経過とともに劣化します。
硬くなったタイヤの性能はもちろん低下していますので交換の目安があります。
製造年月日のみで判断する場合には製造から10年経過しているタイヤは交換した方がいいでしょう。

この製造年月日の確認方法ですが、タイヤのサイドウォール(タイヤの側面)にアルファベットがあり4桁の数字が記載されています。
例えば〇〇〇2019などと記載があった場合前の2桁は製造週、後ろの二桁は製造年を表しています。
この場合は2019年の20週目に製造されたことが分かります。
〇〇〇の部分にはアルファベットが記載されていますがあまり気にする必要はありません。

タイヤの製造年月日の見方

走行距離から判断

タイヤは大体3万キロから5万キロ程度で残り溝が2ミリ程度になるように設計されています。
しかし、これはあくまでも机上の空論であり、実際の使用の仕方によって大きく左右されます。

  • 悪路走行が多い
  • 急のつく運転が多い
  • 空気圧が適切ではない

などの要因により、もっと早い段階で交換時期になることは多々あります。

またミニバンやSUVなどの重心の高い車に、RVタイヤではないタイヤを使用していると、タイヤの偏摩耗により通常より交換頻度は増えてしまいます。

みためで判断

溝以外で判断する上でもっとも重要となるのが見た目での判断になります。

  • タイヤのサイドウォール(タイヤの側面)や路面との接地面にクラック(ひび割れ)がある
  • タイヤのサイドウォールの一部が膨らんでいる
  • タイヤの一部がえぐれている

これらの症状が発生していれば、タイヤの溝があっても交換しましょう。
また自分で判断しづらい方は定期的にガソリンスタンドや整備工場で点検してもらいましょう。

まとめ

タイヤの溝から使用限度や交換時期を見極めるコツを解説しました。
溝が3ミリ~2ミリになると交換した方がいいので定期的に自分で点検するか不安があればガソリンスタンドや整備工場で点検してもらいましょう。
予期せぬ事故や出費を防ぎ、ぜひ安心なカーライフを実現してください

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