2022年03月08日
リアワイパーレスは車検に通らない?現役整備士が注意点を解説
リアワイパーはリアガラスに付いているワイパーですが、利用している人は少ないのではないでしょうか?
リアワイパーを使用していなくともワイパーゴムが劣化し、保安基準に不適合の状態になれば、使っていなくても交換しないと車検に通りません。
そんなリアワイパーをいっそのこと取り外してしまおうと考える方も多いはずです。
この記事ではリアワイパーを外しても車検に通るのかについて解説します。
リアワイパーはなくても基本的には車検は通る
フロントガラスに装着されているフロントのワイパーは保安基準で定められているため、装着、保安基準に適合している状態でなければ車検には通りません。
詳しくは「ワイパーを交換しないと車検は通らない?」の記事にて詳しく解説していますので参考にして下さい。
しかし、リアワイパーについては保安基準に記載がありませんので、なくても基本的には車検には通ります。
実際にセダン系の車や廉価車(同じ車種でも値段の安いグレード)にはついていません。
セダン系の車はミニバンのような2BOXに比べリアウインドウ周囲に発生する空気の流れが異なるのでリアウインドウが汚れにくいのが大きな理由です。
リアワイパー無しはグレーゾーン
前述した通り、リアワイパーは無くても基本的には車検に通ります。
しかし、中には通らない場合もあります。
リアワイパー無しで車検に通らないケース
(1)取り外した行為が「改造」とみなされる
保安基準とはあくまで最低限の基準でしか無く、保安基準に記載の無いものはその車の検査(車検)を担当した検査員の判断となります。
この検査員は車の裁判官のような存在であり、検査員が車検に適合しないと判断すれば車検には通りません。
元々リアワイパー装着車でリアワイパーを取り外した場合、本来の状態ではなく改造した状態とみなされ、車検が通らない場合があります。
(2)リアワイパーを取り外した状態が危険と判断される
リアワイパーを取り外すと多くの場合突起が残ります。
この突起が事故の原因となる可能性があるので車検が通らない可能性があります。
実際、多くの車種はリアワイパーを外すとボルトの先端が露出したような状態となり、万が一歩行者や周囲の物に接触すれば危険です。
保安基準の「車枠及び車体」には鋭い突起がないこと、回転部分が突出していないことと記載してあります。
なのでこの状態では車検に通りません。
この場合はリアワイパーレスの保護部品を装着すれば車検に通ります。
(3)リアワイパー作動のスイッチが残っている
検査員次第ではありますが、動作するものが無いのにスイッチだけ残っていると車検に通らない場合があります。
この場合はスイッチを取り外すか、同じ車種でリアワイパーレスのワイパースイッチに交換すれば車検に通ります。
リアワイパー交換費用
リアワイパーの取り外しを依頼した場合、700円~2000円程度で取り外してもらえます。
しかし、その後突起が残るなどの理由で保護キャップの取り付けや、リアワイパーモーターの取り外しとなれば工賃も部品代もかかってしまします。
なるべく安く済ませたいなら自分で取り外してキャップをつけることは可能です。
多くの国産車の場合、精密ドライバーなどで保護キャップを取り外し、保護キャップに隠れていたナットを緩め(完全に取り外さない)リアワイパーが上下に軽く動くようになってからナットを外し、リアワイパーを外して下さい。
その後保護キャップを取り付ければ、大体車検に通る状態になります。
まとめ
リアワイパーを取り外している車の車検について解説しました。
保安基準にリアワイパーについての記載はなく取り外して、保護キャップをつければ車検に通る可能性は高いのですが、通らない場合もあるので注意が必要です。
元々リアワイパーがついている車は必要である可能性が高いのでメーカーが付けているので安全運転のためには付けておくことを推奨します。